永井孝尚とは
マーケティングマネージャーとして人材育成戦略策定と実施を担当し、同社ソフトウェア事業の成長を支える。マーケティング思考を日本に根付かせることを目的として、ウォンツアンドバリュー株式会社を設立した。
他の著書には、「100円のコーラを1000円で売る方法」「戦略は「1杯のコーヒー」から学べ」
「そうだ、星を売ろう」「「戦略力」が身に付く方法」などがある。
マーケティングで本当に必要なことは、シンプルで分かりやすいもの。そのため自然とわかるように本書は書いてある。
第1章 腕時計する人は少ないのに、なぜ腕時計のCMは増えているのか?
電車の中でつり革をもつにとの手を見たときに腕時計をしている人が少ない。
しかし、腕時計のCMは見るからにお金をかけていますというようなCMが増えているような気がする。
そもそもなぜ腕時計は減ったのか?
→今までは、正確な時間を知るためには、腕時計しか時間を知るすべがなかった。しかし、今は、携帯やスマホで簡単に正確な時間を知ることができる。つまり、今までの腕時計の価値はコモディ化した。
※コモディティー化・・・かつて人々がほしがっていた価値がいつの間にか当たり前となってその価値が失われること。類似語オワコン。
つまり、今のお客さんは従来と同じ、時間を知るだけのための時計にはお金を出さない。
→お金をだす「理由」を創り出した。
EX)ジョギング専用・・・時計で体力を強化する
登山用・・・安全に登山する
グローバルビジネスを成功させる・・・GPSソーラー腕時計(世界中どこにいても正確な現地時 刻を表示する)
まとめると、お客さんは、バリュープロポジションのものしか買わない。
※バリュープロポジション:「お客がほしいと望み、かつ、自社だけが提供できる商品である」という状況のこと
・どうやってバリュープロポジションを考えていけばいいか?
・徹底してお客さんの立場に立って物事を考えること。
・目を皿にしてまだ見ぬお客さんのニーズを見つけ出すこと。
ターゲットのお客さんを絞り込んで、そのお客さんがお金を出す理由を考え抜く必要がある。
例)ジョギング専用時計
1、ジョギングで体力を強化したい人にターゲットを絞りこんだ
2、時計を使って体力強化を図れるという価値を提供する
これで、お客さんがお金を出す理由をつくる。
・登山専用時計
1、安全に登山をしたいという人にターゲットを絞り込んだ
2、時計が厳しい環境でも頼れる登山の武器になるという価値を提供する
これで、お客がお金を出す理由を作る
もし、このバリュープロポジションがなくコモディティ化の状況が続くと、、、
例)牛丼業界・・・「早い、安い、うまい」の価値がコモディティ化してしまって安売り合戦になり、過当競争に陥っている。
どちらも新たな顧客に対してライバルが提供できない新しい価値を作り出す
ターゲットを絞り、今やっていることから何を取り除いて、何を減らすかを考え、その上で、代わりに何を付け加えて、何を増やすかを考えることで、
自社だけが提供できるモノを作り、新しい市場を作る戦略。
例)
ターゲット→マラソン好き
増やすこと→数字の表示を大きく、心拍数モニター
減らすこと→バッテリーの持続時間、ファッション性
よって、ジョギング専用時計が生まれ「腕時計で体力を強化する」という新市場を創り出した